ワラビ

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食品の豆知識「ワラビ」

 食品には、私達の身体に栄養を補給する働き、バランスを整える働き、また、旨味や彩り、香りなどを楽しませる働きがあります。すなわち、私達が生活するうえにおいて、またそれを楽しむうえで、必要不可欠な存在といえます。そこで、この食品の豆知識「ワラビ」のページでは、ワラビの特質、品質、調理、用途、加工品などの内、特に必要と思われる基本情報を列挙し、その情報によって、今の食生活が更に有意義なものになればと願っています。

ワラビ、わらび、蕨、コバノイシカグマ科

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ワラビ
 ワラビ(蕨)はコバノイシカグマ科に属し、日のよくあたる山地や野焼きした後に好んで繁殖するシダ類の一種で、古くは救荒食品の一つでした。

独特の粘質と甘さがありますが、「アノイリナーゼ」が多く、多食するとビタミンB1欠乏症になるので、十分アク抜きする必要があります。

栄養としては、根茎(こんけい)にデンプンを多く含み、また、ビタミンB2も(生で、1.09mg/100g中)含んでいます。

調理としては、アク抜き後、おひたし、和え物、酢の物、煮付けなどにしていただきますが、塩漬、粕漬、干ワラビなどにも用います。

また、根茎からとったデンプンを「ワラビ粉」にして「ワラビ餅」にも利用します。

なお、アク抜きは、木灰をワラビの表面がかくれるぐらいまでふりかけて、熱湯を注ぎ、蓋をして冷まします。

これでアクが抜けて、きれいな緑色になり、また、柔らかくなります。

あとは乾燥して貯蔵しておきます。

「救荒食品」(備荒作物、救荒作物、救荒植物)とは、山野に自生する植物、また、一般の農作物が不作の時でも成育する作物、または、飢饉の際に食糧になるものをいいます。ただ、今は飽食時代ですので、あまり聞き慣れないことばになっています。
根茎(こんけい)とは、茎のことですが、根のように見えるものをいいます。

【主な栄養素】 わらび 生わらび、ゆで
エネルギー
(kcal)
タンパク質
(g)
脂 質
(g)
炭水化物
(g)
食物繊維
(g)
15 1.5 0.1 3 3
β-カロテン当量
(μg)
レチノール活性当量
(μg [μgRAE])
ビタミンD
(μg)
ビタミンE
(mg)
ビタミンK
(μg)
160 13 0 1.3 15
ビタミンB1
(mg)
ビタミンB2
(mg)
ナイアシン
(mg)
ビタミンB6
(mg)
ビタミンB12
(μg)
Tr 0.05 0.4 0 0
葉 酸
(μg)
パントテン酸
(mg)
ビタミンC
(mg)
33 0 0
ナトリウム
(mg)
カリウム
(mg)
カルシウム
(mg)
マグネシウム
(mg)
リ ン
(mg)
Tr 10 11 10 24

(mg)
亜 鉛
(mg)

(mg)
マンガン
(mg)
0.6 0.5 0.06 0.08
※ 上記は、七訂日本食品標準成分表より (可食部100cあたり)
※ 「Tr」は、微量を表す。



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