ワカメ(若布)は褐藻類チガイソ科に属し、メノハ、ニギメ、オシキメ、メなどともいい、春から初夏にかけて繁茂(はんも)する1年生の海藻です。
茎は平たく、上部に、平らで黄褐色の葉片(葉)がついています。
葉片は、薄くて柔らかく、中肋(ちゅうろく)を中心に左右に広がっています。
また、成熟すると、茎部に、肉厚で襞(ひだ)の多い部分「成実葉」ができますが、これは、胞子をつくるところで、黒褐色をして、粘質に富み、俗に「耳」とか「めかぶ」などとよんでいます。
なお、このワカメは、体形から「ナンブワカメ」と「ナルトワカメ」に大別できます。
このうち、「ナンブワカメ」は、葉が大きく長い茎をもち、葉とめかぶが離れていますが、「ナルトワカメ」は、茎が短く、歯切れが良いのが特徴です。
栄養(乾燥品)としては、タンパク質を(13.6%)、炭水化物を(41.3%)、食物繊維を(32.7%)、ビタミンAを(650μg/100g中)、ビタミンB1を(0.39mg/100g中)、ビタミンB2を(0.83mg/100g中)、葉酸を(440μg/100g中)、カルシウムを(780mg/100g中)、マグネシウムを(1100mg/100g中)、リンを(350mg/100g中)、鉄を(2.6mg/100g中)含んでいます。
調理(用途)としては、乾燥、塩蔵してあるものは水でもどして、生のものと同じように、酢の物、和え物、汁物、サラダ、煮物などにしていただきます。
また、ヌメリが強く歯ごたえのある「めかぶ」も同様に調理します。
加工品としては、「そのまま干したもの」や「熱湯処理したもの」、灰とまぶして干した「灰ワカメ」、「塩蔵ワカメ」などがあります。
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